部屋になるEVにロマンを感じる。

日本トップのホーム関連の大手小売チェーン
(株)ニトリの似鳥昭雄会長が
2018年1月時点で2018年の株価予想をした。
年末頃には

・日経平均が2万円割る
・1ドル=110円割る

と当てた。これはすごい。

理由はトランプ政権の経済効果は薄い。
アメリカ頼みの日本経済では
景気は楽観的には行かないだろうと。
そして彼は2019年以後の景気の雲行きも怪しいと言う。

彼が1971年27歳の時、
利益が出ていた郊外の大型2号店を開店した直後に
(1号店は67年にオープン)
どこで話を聞きつけたのか近くに大型家具店ができて
お客を取られて売上げが30%も激減した。
(儲かると分かればすぐマネする奴が出てくる←覚えとけ)
小売業というのは仕入れに現金が必要。
たちまち資金繰りが悪化し赤字に転落した。
藁をもすがる気持ちで何か打開策になるのではと
アメリカへ視察旅行に参加した。
そこで彼の事業観、いや人生観を
大きく変える光景を目にすることになる。

アメリカの家具はデザインもいいし
価格は日本の1/3と安い。
しかもホーム全体をコーディネイトする発想で
顧客の立場に合った
TPOS(Time、Place、Occation、Style)を想定している。
豊かさを追求していくなら
日本もいずれアメリカのようになるはずだ!!

それまで家具を売って儲けることがすべてだったが、
この視察で「日本の住環境を豊かにするぞ」というロマンができた。

彼は自伝の中で
事業にはロマンとビジョンが大事だと繰り返し説く。

ロマン(大志)
ビジョン(数字・長期計画)

※アートとサイエンスとも言える。

株予想といい、家具の大規模チェーン店化といい、
似鳥少年はさぞ幼少期は利発な子だったであろう
と予想する読者もいると思うが見事な逆。
高校は賄賂で、地元の大学はカンニング入学。

好きでもないことは本気になれない。
でもいったん身を焦がすほどの何かを持ったら
スイッチが入り人生を燃焼し出す。
人とはそういう生き物なのだと私は信じている。
あなたにもそれはあるか?

関係者でないのであまり言及したくないが、
似鳥家がニトリの株式を巡って騒動した事件があった。
1989年、創業時の代表取締役であった父が亡くなり、
その遺産である不動産や株式をどうするのか。
長男である昭雄氏は株式は経営権だから
是が非でも自分の元に置きたい。
ロマンもビジョンもない似鳥家に渡ったら
(株)ニトリはダメになってしまう。
そこでいったんは遺産分割協議書で納得してもらったが、
会社が急成長した2007年に(株価も上昇中)
親族がニトリ株を巡って長男を突然訴えてきた。

食うや食わずの生活の中、
カネを稼ぐためにヤミ米でもシャーシャーと売る母。
結局破綻したが土建業の会社を経営していた父。
ロマンもビジョンもないから息子もそう育った。
アメリカに行くまでは。

「企業も家族もロマンとビジョンを持て」

でなければ家族と言えども地獄と化す。

話が飛んでしまい申し訳ない。
ニトリの通販ショップを見てほしい。

https://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/

家具のみならず、
家電製品や調理器具
アウトドア用品や美容器具も売っている!!

前述したがアメリカの後を追う日本はどうなるのかと
彼はアメリカに毎年のように視察に行く。

スポーツ用品小売のスポーツオーソリティ破綻。
家電量販店はベストバイ以外は破綻。
(ベストバイ自身も売り場の半分を貸してしのいでいる現状)
玩具小売のトイザらスも2017年に破綻。
初めてアメリカで視察し衝撃を受けた店
「シアーズ」という百貨店も2018年に破綻。

Eコマースのアマゾンが米国の小売業を席巻している。
日本の小売業界もアメリカ同様に「寡占化」が進むはずだ。
今は良くてもニトリもこのままではやられるぞ。
ネット販売に力を入れろ。
品揃えをもっと充実させるんだ!!

私は予想する。
それではアマゾンには勝てないと。

似鳥会長、衣食住の住を事業に選んだのならば
リフォームに止まらず建設業に進出し、
ホームトータルソリューションカンパニーを目指せ。

そしてこれは助言として聞くだけでもいい。

「電気自動車(EV)は部屋(小さな家)になる」

調べたら分かるが、
電気自動車はガソリン車よりも部品が少ない。
だから安くなる=普及する。
エンジンやガソリンが必要ないから危険性少なく軽い。
だから車内空間を広くすることもできる。

スキーのメダリストの荻原健司(オギワラ)さんが
改造しやすい電気自動車は言わばファッションで
ドライバーのアイデンティティを表現していると言う。
私も賛成です。
今にファッショナブルな自動車が道路を行き交うだろう。
(トヨタやホンダのエンブレムは廃れる)

それに加えて車内が広がれば
自分の部屋のように
車をデコレーションする人が一般化する。
(車内専用の電化製品が売れるから企画し作れ)

日本の住宅は小さく狭い。
この現状は国土と人口を考えればこの先もほぼ変わらない。
だから電気自動車は住居スペースの増築として
必ず部屋のようにみなされていく。
(パーキング事業は伸びる)

「移動できる部屋=電気自動車」

住所不定の人が増えて社会問題化しそうだが、
アメリカにはキャンピングカーで
寝泊まりする家族もいる。

ニトリは北海道で創業した。
なぜ家具屋を選んだかと言えば
周囲に家具屋がなかったから。

父の教えである
(お前はノロマでだらしがないから)
「成功したいなら人と違うことをするしかない」
ということを守るならば、
電気自動車をホームとみなして
今から参入してもいい。
EVベンチャーはこれから多く出現する。
製造業は無理でも販売代理店にならなれる。

ニトリのプライベートブランド商品だけの差別化は
先行きは暗い。
儲かると知られれば
マネする奴が出てくるのを忘れるな。

まず建築業に進出する。
余力で電気自動車にも参入する。

夢のマイホームは高いとして挫折し、
中途でマイカー購入に走ってしまう低所得家庭。

業界の寡占化で企業の淘汰が激しくなり、
リストラ・倒産で低所得者層は間違いなく増加する。

「豊かな日本」をロマンとして胸に抱き
今日まで突っ走ってきたニトリ。

マイカーはマイホームになるのだから
庶民の夢の実現に貢献できる。

そうなったらニトリもお客もニッコリ。

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