ソニーを辞めて、会社を起こせ!!

アメリカのEVメーカー「テスラ」
2018年6月と2019年1月の2回で
おおよそ1万人の従業員をリストラをした。

なぜイーロン・マスクCEOがそうしたかというと
販売不振が原因です。
バカ売れしてたらリストラなんてしませんから。

ではなぜこれから普及していくであろうEVが
販売不振に陥ってしまったのか、
マスクCEO曰く
「我々の製品はまだほとんどの人々にとって高価すぎる」と。

あなたは『キャズム理論』をご存知でしょうか?

過去になかった新しい製品が市場に投入される時、
新奇なものなら高価でも買う富裕層やマニア層と、
一般普及化して安心領域に入ってから買う消費者との間に
キャズム(深い溝)が生まれる。

現在テスラはこのキャズムに陥っていると思われる。

ではどうしたらテスラはこのキャズムを乗り越えて
販売拡大と利益確保を狙えるのかを
私なりに考えてみる。

まず単に価格を下げればいいというものではない。
それはバカな経営者のすることだ。

・自動車部品コストを下げるか
・労働者の人件コストを下げるか

長期的目線で経営するなら
どちらも絶対にやってはいけないことだ。
特に労働者をリストラするなんてとんでもない。
なぜならちょっと業績が悪くなったから
リストラしてしまえという会社で、
あなたなら職場で安心して
知恵も労力も使って頑張って働くか?
ものづくりでは改善・改良が大事。
つまり現場で働く人たちの声が会社を強くしていく。
2度もリストラしたテスラの未来は暗いと思う。

余談:
コストカッターの異名を持つカルロス・ゴーンさんは
今度は日産からコストカットされたわけだ。
その信念で働いてきたのであるならば
潔く日産から去った方がいい。

だがしかしEVの覇権争いはまだ始まったばかり。
今からでも挽回の余地はある。

もし私がテスラの自動車を売るならどうするか述べたい。

高価なテスラEVカーを
分割支払いで購入を促す。
10年ローンなら中間所得者層にでも購入できる。
クレジットカード社会のアメリカにおいて
ローンが組めるとあるならば
購入を検討する人も多くなるだろう。

マスクさんはオンライン決済のPayPalを創業した人物。
金融業界については詳しいはず。
利息収入はオイシイということを。

またテスラに乗る人が多くなればなるほど
充電スポットを増やす必要がある。
設置コストがかかりますが、
その分は電気を売ることで数年でペイできるし、
それは安定的な収益源になっていく。

加えてすでにEV所有のドライバーの話によると
一度EVに乗ったらガソリン車には戻れないらしい。
とするとテスラを購入した人は
またテスラを購入する確率が高い。

トヨタやホンダはまだハイブリット車ですし、
日産は現在トップ不在。
強烈なリーダーがいないので
しばらく混迷する。
ライバルがいるとしたら中国メーカーです。

私はアメリカに住むアメリカ人ではないので
自動車事情について断言できないが、
「EVと言えばテスラ」
とされたら販売がスムーズになり、
自動車業界のトップシェアをキープできる。
なぜならアメリカは自動車大国だから。

1980年頃に松下幸之助さんが
まだ貧困国だった中国に進出した時、
「10年後に儲けさせてもらいまっせ」
と製造工場を中国各地に建設した。
それがあったおかげで
2000年からのデフレ不況でも何とか乗り切れた。

また余談だが
松下さんは自動車製造も夢見たとある。
蓄電池製造から着手し
1978年にダイハツとEVの開発に取り組み、
テスト走行では時速100キロを出した。
ではなぜ本格的に自動車製造に参入しなかったかというと
松下電器は家電メーカーで
自動車業界で勝つためには
会社を潰すくらいの気合いで乗り込まないと
到底太刀打ちできるものではない。
従業員の生活のこともあるし、
家電メインで行くしかないと。
(私が思うにEVは家電ですよ)

話をテスラに戻す。
イーロン・マスクCEOの掲げる企業理念は
「地球と人類の未来のために」と壮大だ。
が現実はリストラで従業員の未来を奪っている。

飾るだけの理念などない方がマシだ。

私は過去記事で
ソニーがEVを作ったらいいと願った。

EVを歓迎し、ウォークマンにお別れを。
1976年生まれの私たち世代で、 ソニーと言えばウォークマンでした。 (私だけ?) 高校生の時、 ソニーが任天堂のファミコンに対抗して プレイステーション(PS)というゲーム機を販売をした。 私は持ってませんでしたが、 ソフトがカセット式で...

その後ソニーのものづくりについて気になり、
こちらのソニーとホンダの創業者の本を読んだ。


(製造業、特にソニーの社員は必読)

そしたらいきなりこんな写真が載っていて
ビックリした。

1960年にすでに井深大さんは
EVの試作車を走らせている。
ということはソニーはAV機器やテレビにこだわらず
自動車でも作ってやろうとしていたのが分かる。

ところが彼亡き後のソニーはリストラに走り、
ものづくりを捨てて
多角化、特に金融業に向かっていく。

こちらの清武英利さんの本にあるが、
出井伸之さんから平井一夫さんまでの期間で
8万人がリストラされている。

35歳でリストラ対象とは何て短い勤続期間だろう。
そんな会社で頑張って働いて貢献しようとする
愛社精神は到底育めない。
(私ならソニーを就職先に選びません)

「ソニーはオワコン」

※オワコン:コンテンツ(中身)が終わっているという略

現在の吉田CEOは平井元CEOと同様に
“ものづくり魂”は持ってないだろう。

金融業は確かに利益率が高くて儲かる。
でもそればかりの会社で日本があふれたら
間違いなく日本は貧困国に転落する。

「やっぱりソニーは新しいもの生み出さなきゃウソだよね」

パートナーだった盛田昭夫さんとの対談で
井深さんがはっきりそう言っている。
今のソニーや日本の製造業を見たら
彼は何と嘆くことだろうか。

ものづくりは原点。
それを忘れ果てた企業は滅びる。

本の編集者の柳下さんは我々に警告する。

戦後貧しい日本がここまで豊かになれたのも
日本人がものづくりが好きだったからこそ。
ものづくりの職人さん達のおかげ様様。

人から感謝されないのは存在していないも同然だ。
ならばテスラもソニーも消える。

こうなったらソニーの職人たちよ、
EV起業をしてみないか?

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