日本社会を黒字化するために、神様の恵みをお届けしよう。

持ち帰り寿司の株式会社小僧寿しが
10年以上の赤字体質から脱し
やっと黒字転換を果たした。

小僧寿し
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創業は1964年。
その2年前、山木益次さんが
父親から譲り受けた支店で売上が伸びず、
店を改装して出前をやってもダメだった。

1964年、テイクアウトはどうかと試したら
これが大ヒット。
「これは行けるぞ!」と踏んで
フランチャイズ方式で全国展開していった。

低価格な手軽さが受けたこともあり、
1980年代に店舗数2300を超え、
1991年には売上高が1000億円を突破した。

しかしながら同業他社の出現や
スーパーマーケットでのパック寿司の販売、
回転寿司チェーン企業の勢力台頭で、
2000年代からは赤字経営に転落していった。

2005年、すかいらーくと業務提携したが、
巨大ファミレス企業が本腰を入れて
経営再建をすることなく、
売上低迷を脱しないままお荷物扱いになっていた。
2012年、資本業務提携を解消し、
イコールパートナーズに株式を9.5億円で譲渡。

このコンサルティング会社が
小僧寿し経営陣に何を言ったのか何をしたのか。
同じ年に協力関係を解消する方向になったのをみると、
プライドを傷つけるようなこと
侮辱的なことを言ったのだろうか。

さておきWikiを読むと
その後吹っ切れたかのように
小僧寿しは赤字経営から脱却を図るために
独自で奮闘していくことになる。

春陽堂から関東エリアにある
持ち帰り寿司チェーン店を譲渡されたり、
2014年、不採算店舗を閉店し
ラーメン店に業態転換したが2年後に撤退したり、
シカゴピザと業務提携したり、
「茶月」を運営する阪神茶月や
カレーなどのスパイシークリエイトを子会社化したりする。

が、どれもうまくいかずに迷走状態が続く。

2018年にデリバリー運営の「デリズ」を
株式交換によって2.8億円で買収したが、
デリズは4億円以上の債務超過の会社で
半年後に全額減損処理をする。
(なぜ2.8億円で買ったのかは不明)

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だがしかし
この高値掴みの失敗買い物のデリズが
小僧寿しの復活の切り札になるなんて
何という運命だったのだろう。

2020年初頭に巻き起こった
コロナパニックによる外出自粛規制が
デリバリー需要を呼び起こしたのだ!

2020年12月期決算は
持ち帰り寿司事業はマイナスだったが
デリバリー事業がプラスで
トータル黒字化に浮上した。

粘り強く挑戦し続け
成功するまであきらめなければ、
いつか感激できる結果を得られるのですね。
ほんとにがんばったよね。すごくえらいよ。

今年2021年は
テイクアウト寿司もデリバリーも好調で、
その勢いに乗って
食品スーパーの「だいまる」や
焼き鳥居酒屋「とり鉄」を買収した。

小僧寿しは経営理念の通り、
『食生活の未来を創造する会社』を目指していく。

その際取るべき経営戦略は2つあります。

1、デリバリーの拡充と強化
2、外食業へのシフト(多角化)

両方同時進行は
飲食業界トップでもない
時価総額100億円にも満たない
小僧寿しがやってはいけません。

私なら1を取る。

コロナ終息後に外食産業の復調化を見越して
現在叩かれ低迷中の居酒屋を安く買収してもいいが、
私は固定店舗を構えてお客を待つ経営スタイルに
時代はマッチしていないと思う。

高齢化の波は加速している。
団塊世代はすでに70歳を超え
団塊ジュニアは40代後半から50代前半。
足腰が弱くなり
車の運転を辞退したり、
リストラで低所得に転落した中高年の
活動領域はそれほど広くない。

★宅配・デリバリーこそ時代のニーズです!

居酒屋は無くなりませんが、
小僧寿しの歴史に店内飲食は無い。
テイクアウトとデリバリーのみで今日まで至る。
今さら店内サービスで他社に勝とうとするのには無理がある。

では具体的にどんな戦略で行くか?

戦略立案の際には
ライバル会社を意識しながら
この3つを考慮する必要がある。
なぜなら経営資源には限界があるから。

・商品を絞る
・エリアを絞る
・顧客層を絞る

私なら関東エリアで寿司だけを製造販売宅配をする。

ラーメンもピザも丼物もダメだった。
寿司以外はすべて他社に任せて、
寿司だけを自社で調達調理する。

今や寿司はSushi。
それが人口増加と生活レベルの向上で
世界で普通に食されているようになった日本食。
中国やインドなどの富裕国に魚介類が競り負けている。
ネタの調達も大変。
集中して取り掛かっていかないと寿司屋なのに
マグロやイカ、ホタテ、サーモンなどを提供できなくなる。

それに宅配はスピードが命。
なぜならほとんどの料理は
出来立てアツアツが美味しいに決まっている。
冷えた料理である寿司でさえネタの鮮度は大事。
まさか半冷凍を持っていく気ではないでしょうね。

エリアを関東だけに絞るというのも
注文2件3件を同時にこなせるし、
全国展開すればそれだけ
固定店舗の維持費やデリバリー人件費がかさんで
利益体質の経営を実現できなくなるから。

では関東以外の小僧寿し店舗はどうするか?

すべてFC応募して独立希望の人に任せる。

寿司以外の事業は?

分社化するか、いっそ売却してしまう。
自社内で経営をやってみたいとする有志者を募り
その人の独自路線でやらせてみる。

会社の経営陣を見ると
社員数たった69名の会社で
取締役が6名もいる。
多い。2人で充分。

残りの4人の内の誰かに
カレーハウス、焼き鳥居酒屋、
スーパーだいまるを経営させる。
できなければ退職金を払って辞めてもらう。
一般社員の中にも独立志向の強い人がいるはずだから
チャンスを与えてやるのも経営者の仕事です。

関東エリアで寿司のデリバリーとテイクアウト。
ライバル対策を講じておかないと勝ち続けられない。

寿司業界の最大のライバルである
回転寿司チェーン企業がデリバリーを始めることはない。
なぜならあのベルトコンベアの上で
いろんな寿司やデザートが流れていく店内だからこそ
「もう一皿食べよう」と寿司を取って
楽しく美味しく食べられる。
デリバリーではそれを再現できないから。

高齢者向け宅配弁当サービスは
今のところ寿司を扱っていない。
なぜなら作り置きができないから。
くら寿司では120分以上の寿司皿は廃棄するらしい。

冷めた弁当を温めて食する。
毎日それを食べてみよ。飽きる。
高齢者だって時々は
ラーメンやカレーやステーキが食べたいはずだ。

・ワタミの宅食
・宅配クック123(シニアライフクリエイト)
・まごころ弁当(シルバーライフ)

は、そこのところをしっかり考慮しないと
今は儲かっていてもダメになると思う。
メニューを増やすと経費がかさむので
小僧寿しと提携してはどうでしょうか?

飲食宅配ビジネスにもまだまだ課題がある。
それと同時にチャンスでもあるが。

小売最大手イオンのネットスーパーは手ごわい。
すでにネットで注文して宅配してくれるサービスを開始している。
その商品数は膨大。
もちろんその中にパック寿司もある。

どうすればイオンに勝てるか?

・寿司の美味しさ
・届くまでのスピード

この2つで差別化してやり合うしかない。
そのためにはやはり商品とエリアを絞ることが必須になる。

小僧寿しという社名の小僧は
志賀直哉の短編小説「小僧の神様」から来ている。

秤屋で丁稚奉公する少年が
美味しい鮨屋があると聞いて
なけなしのお金を持って鮨屋に行くが
金額が足りずに食べられなくて恥をかいた。
それを見ていた貴族院議員Aが
秤を買って小僧に運ばせるついでに
少年をその鮨屋に連れて行きご馳走した。
その鮨屋の鮨を食べたかった事
そこで恥をかいた事
少年はなぜAが知っていたのか
自分の心を見透かしていたのか
次第にAのことを神様ではないかと思うようになった。
苦しい時や悲しい時はAのことを思い出し
またいつか自分に恵みを持たらすため
Aが現れてくれるのではないかと信じていく…

創業の1964年当時
まだまだお寿司は高価な料理だった。
庶民が気軽に食べられるものではなかった。

「美味しいお寿司を子供たちに腹一杯食べてもらいたい」

そんな願いを込めて社名にした。

やがて漁業や養殖の技術が向上し
安価に提供できるようになった。
誰もが寿司を食べることのできる社会が実現した。
それでも所得格差は無くなっていない。

コロナパニックによって無職になり、
UberEATのデリバリーで自転車をこぐ若者たち。
それでいくらの月給を得ているのでしょうか?

日本社会の黒字転換はまだまだ先ですね。

小僧が成長して大人になり
今度はチャンスを与える神様になる。

小僧寿しにはそんな神様寿司になって頂きたい。

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