これから中国ビジネス開始の方は『中国ゴールドラッシュを狙え』を読んでから。

経済ジャーナリストの財部誠一氏の中国観は
前向きで肯定的だ。
日本でまかり通る「中国崩壊説」を一笑に付す。

2009年の上海モーターショーが大盛況。
成都のイトーヨーカ堂が押すな押すなの熱狂ぶり。
何が合成されているか分からない
中国製安物醤油より高級キッコーマン。
コマツの建機がバカ売れ。
大和ハウスの強気な大規模分譲マンション建設。
ファンケルの化粧品や
サプリメント目当てに香港へ行く本土人。
(ファンケルは中国人にとって
高級欧米ブランドと同じイメージらしい)

確かに中国にも問題はある。
貧富の格差や民族問題。
政治の腐敗や官僚の汚職。
地方役人の横暴、
農民への強制立ち退き、
それに抗議する農民。
学生の就職難。
中国に鬱積する不満や怒りがいつ暴発するか。
(2005年度87000件の暴動があったと公安省が発表。真偽は不明)

それでも著者は断言する。
近い将来、中国はアメリカを追い越し、
世界一の大国へと変貌すると。
(日本はどうなっているのかな?)

タイトルにもあるように
今や中国内部にある
“ゴールド”は沸きに沸いている。
目の前にあるビジネスチャンスに
指をくわえて待っている手はないぞ、
日本人のケツを叩かんばかりの本の内容だ。

日本企業が中国で成功する“秘訣”は
何かを財部氏はこう答える。

『意思決定のスピードの速さ』

いちいち本部や上司にお伺いを立てていては
ビジネスチャンスを逃してしまう。
刻一刻と変わる中国の消費ニーズに付いていくためには、
『即決』でないと。
相手先がイライラするのもよく分かる。

それに中国人社員との交流。
3年ローテーションで帰国してしまう日本人上司なら誰も尊敬してくれない。
仕事も中途半端でいい加減になってしまう。
これでどう信頼関係を築いていけるのか。
成都のイトーヨーカ堂の上層部の日本人社員は
13年にもわたって中国社員と3度の食事を共にし、
(四川省料理は激辛らしい。慣れない日本人には苦痛。体重が激減したそうだ)
日本人会との接触もなく、ただひたすら現地に溶け込もうとした。
その甲斐あってか中国で大成功した日本企業となった。

最後に著者は言う。
代金回収の難しさや、
中国人従業員のマネジメント、
地元政府との円滑な交流は、
商習慣の違う日本人には不得意な分野だ。
それを親日の多い台湾企業と手を組むことで解消しようと提案する。
台湾企業でも信用できるか分からない。
ならばOEM委託生産なり販売なりの小さなビジネスをやってみて判断してみる。
台湾経済はもはや中国本土抜きには語れないところまでになった。
ビジネスチャンスがあれば飛びついてくれると思う。
日本もまた然り。
中国抜きにして日本経済は立ち行かないと覚悟する時期です。

中国を偏見のない目で日本人は見据えなければいけないのです。

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